GLOSSARY / クラブ設計
タングステンウェイト
Tungsten Weight密度19.3 g/cm³のタングステン金属をウェイトとして使い、少ない体積で重心位置を精密にコントロールする設計手法。
タングステン(W)は密度19.3 g/cm³と、ゴルフクラブに使われる金属の中で最も重い素材の一つ。同じ体積ならチタン(4.43 g/cm³)の約4倍、ステンレス(7.85 g/cm³)の約2.5倍の重さがある。この「少ない体積で重い」という特性を活かして、ヘッドのトウ・ヒール・ソールの特定箇所に組み込むことで、精密な重心位置の設計が可能になる。
アイアンでのタングステンウェイト活用は、テーラーメイドが先駆けてP790(2017年登場)で採用したことで広く知られるようになった。P790はフェース内側の空洞に「SpeedFoam」を充填するとともに、ソール部にタングステンウェイトを配置して重心を最適化する設計を採用している。その後、ピンのi525・i230、タイトリストT100・T150等でもタングステン系ウェイトの採用が進んでいる(各モデルの詳細はメーカー公式参照)。
タングステンをウェイトとして使う手法には複数のバリエーションがある。①ソールにタングステンのスクリューウェイトを固定する方式(取り外し可能なものと固定式がある)、②ヘッド成形時にタングステン合金を一体成形する方式、③タングステン粉末をニッケル・鉄と混ぜた焼結合金(重金属合金)として使う方式。重量配分の細かさや製造コスト・耐久性の観点から手法が選ばれる。タングステンは硬度が高く加工が難しいため、焼結または機械加工が主な成形方法になる。密度についてはタングステン純金属(19.3 g/cm³)と、実際に使われるタングステン合金(17〜18 g/cm³程度)で差があることに注意が必要。
RELATED TERMS ─ 関連用語
MOI(慣性モーメント)
ヘッドが「ねじれにくさ」を表す物理量。大きいほどミスヒット時のヘッドブレが少ない。
中空構造
ヘッド内部に空洞(キャビティ)を持たせた構造。フェースを薄くしてたわみを大きくしつつ、余剰重量を周辺に配置して高MOIと高初速を両立する設計手法。
焼結
金属の粉末を型に詰めて加熱し、粒同士をくっつけて固体にする製法。
密度
1cm³(角砂糖1個分の体積)あたりの重さ。単位は g/cm³。
スウィングウェイト
クラブをグリップエンドから14インチ(約35.6cm)の支点で計測し、ヘッド側の重さ感に関係するとされる重量配分を表す静的な指標。日本では「バランス」と呼ばれることが多く、アルファベットと数字の組み合わせ(例:D2)で表記される。クラブの総重量とは別の概念であり、最適な値はスウィング特性・体格・シャフトやグリップとの組み合わせによって異なる。
RELATED MATERIALS ─ この用語が登場する素材